先日の講演会には大変多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。本日もご質問にお答えしていきます。出来るだけ一つ一つのご質問に沿ってお答え出来るように一日に少しずつの回答をしていきます。ご質問から読み取れる情報の中で状況を想像しながら私自身の考えでお答えします。最も大切な個別性の部分については、少ない情報の中で反映させることが難しいので、あくまで参考程度になるとは思いますが少しでもお役にたてれば幸いです。(個別での相談やセミナー等をご希望の方は、ご予約のご連絡をいただければと思います。有料にはなりますがしっかりお時間をお取りし、対応させていただきます。)
【質問】
HSCの子どもにとって「中1ギャップ」の問題はHSCでない子どもに比べてリスクが大きいことですか。
【回答】
私の周囲の経験上の回答になりますが、HSCに中1ギャップの問題が起きるのは、中学の環境が良くない場合だけで、多くは自分の気質を活かせるようになっている年頃と言えます。礼儀正しくモラルを内面化している彼らにとって勉強で忙しくなる中学校以降は比較的過ごしやすくなっていきます。HSCの行動は慎重ではありますが、通常の環境下ではしっかりと適応し、信頼される存在であることがほとんどのようです。※本人の気苦労はあります。
小学校高学年を無事に迎えている場合は自分の能力(良さ)を発揮できている子どもが多いように思います。
その代わり理不尽なことが多いような中学校の場合、急激な居心地の悪化に耐えられなくなることがあります。例えば、先生が暴言を吐いたり体罰を与えるような場合です。小学校の先生にはあまりみられない指導の仕方が、中学校の運動部等では残念ながらあるようです。
(我が子がそういう環境下で苦しんでいたら、打たれ弱い子どもが悪いのだから仕方ないなどと諦める必要はありません。ただし、そんな時ほど客観的な立場で穏やかに話を整理してくれる人に相談することを強くお勧めします。)
【質問】
HSCの特性がある子どもに対しては「がんばりすぎないでいいよ」と適度なブレーキを意識できるような言葉かけをすればよいのでしょうか。
【回答】
頑張っているね(頑張っていることを知っているよ)、ということが伝わっているなら十分です。楽をしたいのではなく、ひといちばい頑張りたい気持ちがあると思います。お疲れ様、とか、今日は疲れただろうから早く寝るようにしようね、などの言葉は安心感のある良いコミュニケーションです。もちろん、課題等を与える側の最低限のスキルは必要です。どんな子どもに対しても同じですが、特にHSCは量より質で力を発揮しますから、適度な時間でそれに見合う量の課題である必要はあるでしょう。
気をつけたいのは集団での声かけです。努力が足りませんよ、というような内容を全体に言った場合、HSCは非常に苦しみます。そこで「頑張っている人もいますが」という事実を加えてもらえるだけで安心して活動を続けられます。子どもたちが感じる不公平感はたいてい正しく、◯◯先生は(お父さんお母さんは)自分の頑張りをきちんと見てくれているのだなという風に思える環境を作ることがとても大切です。
☆ご質問ありがとうございました。その他のご質問の回答は次回(1/4〜)に続きます。